1.有形文化財 1-4.工芸品
令和2年9月新規指定 New!!
金銅如来形座像懸仏、鏧子、鐃鉢、半鐘 合計4件を追加しました。
金銅如来形坐像懸仏 1体
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町貞光(東福寺)
- 指定日 令和2年9月24日
懸仏は、古くは御正体(みしょうたい)といわれ、10世紀から行われた鏡像が発展したもので、神仏習合の思想等も加わって、藤原時代から江戸時代まで盛んに制作され、寺社に奉納された。
この金銅如来形坐像懸仏は、銅で創られ金メッキが施された金銅仏である。本体と台座は一連に作られており、両手は欠損している。鏡板が失われ完存する懸仏ではないが、遺品の少ない鎌倉時代の作例の中でも優品として位置づけられることができ、貴重な尊像である。
鏧子 1個
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町貞光(東福寺)
- 指定日 令和2年9月24日
上部外口辺に右から左まわりに刻印が「美馬郡西端山東福寺常什物 現住徳門 施主一円上竹忠蔵 吉良長吉 文化十一甲戌年七月廿八日 京大仏住西村上総大掾宗春作」とある。
鏧子は響銅製で鉢の形で下に座布団をしき、木製等の棒で打って音を出すもので、寺院で用いる大型のものをさす場合をいう。
この鏧子は、鍛金(たんきん)技法といって、黄銅板を木槌、金鎚や金床、当金等の道具を使って、焼きなまし加工をしながら根気よく打ち延ばし、鍛え上げて大きな鉢の形にしている。口縁は厚く胴より上は窄(ずぼ)み、胴まわりから底部は鍛打ち跡が文様のように出来ている。
銘文により年代、製作者、施主などが明らかで、つるぎ町における模範となる貴重な工芸品である。
饒鉢 1対
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町貞光(東福寺)
- 指定日 令和2年9月24日
銅製で鐃鉢は古くからの法楽の鳴器であり、響銅鋳造後、鍛造を加えて作る。中央が鍛造してドーム状に突起した円盤型の法楽器で、両手持って合わせて音をだす。銘文の一方には「奉 寄進 鐃鉢 為傳峯授閑菩提 阿州 美馬郡西端山東福寺什物」他方には「施主丸居村(現東丸井周辺)七左衛門 元禄十六(1703年)癸未十一月六日 京堀川筑後大掾常味作」とある。
銘文により江戸時代初期(元禄16年)である事が明らかで本町にある遺品のうち貴重な文化財である。
半鐘 1口
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町貞光(東福寺)
- 指定日 令和2年9月24日
半鐘は、もとは寺院で時間を境内の僧侶に知らせるため使用したものである。現在も法要開始などの合図用に使用されている。江戸時代は火災の見櫓の上部に取り付けて災害等の発生時に鳴らした。
この半鐘は、鋳銅製で竜頭は、頭髪が大きく、中央に宝珠を抱き左右双頭が下面し、笠形に円柱を立てて噛んでいる。縦帯に陽鋳した銘文があり、右に「阿列美馬郡西端山」左に「五剣山 東福寺什物」とある。また、他面には「安永九庚子三月廿一日」左に「現住権大僧都法印義貫代」とある。
規矩ととのい鋳造の優れた形姿も堂々としたもので、つるぎ町における模範となる貴重な工芸品である。
刀 表銘 津田近江守助直
裏銘 天和二年八月日江州高木 1口
- 指定 徳島県
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町半田
- 指定日 昭和28年7月21日
地刃ともにできばえがよく、雄刀である。助直44歳の壮年期の作刀である。江戸時代の天和2年(1682)作。
長さ二尺一寸一分(63.9センチ)、反り三分(0.9センチ)、目くぎ穴1ヶ。
刀 無銘(伝 来国俊)1口
- 指定 徳島県
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町半田
- 指定日 昭和30年5月6日
磨上無銘であるが、地刃健全でできがよく、一見して名刀感のある優品である。来国俊は鎌倉時代の刀工。
長さ二尺三寸四分(70.9センチ)、反り七分(2.1センチ)、目くぎ穴2ヶ。
銅錫杖頭 1柄
- 指定 徳島県
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町半田(神宮寺)
- 指定日 昭和59年4月3日
この錫杖頭は、蕨手状の双龍文である。
杖頭の長さは、24.2センチ、幅11センチ、外輪は蕨手の合掌形で、4個の雲形を配す。遊環6個、穂袋は下方に太く、直径2.3センチ。錫杖頭は、振りならすことにより、驚き目を覚ますものといわれ、インドの釈迦在世中から僧の持ちものとして定められていて、托鉢の時、家々の前でこれを鳴らすことにより、来意を告げたり、山や野を行くときは、これを鳴らして毒蛇や毒虫などから避けるために用いられた。この銅錫杖頭は、古い形態や材質から平安末期の作と鑑定された。
鉄釣燈籠 1基
- 指定 徳島県
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町貞光(熊野十二所神社)
- 指定日 昭和54年1月9日
この燈籠は熊野十二所神社に金剛仏子印海が祈願の時献納した品で、南北朝時代の作。鉄製六角形、丈高で、火袋と蓋と台を付けている。火袋は六間、内嵌部板は滅失している。屋蓋は六角形で、照返は鎌倉時代の趣を伝えている。材料は鉄の鍛造製品で、高さ40センチ、笠受台とも径33.5センチ、重さ1キロ。笠・火袋・受台は六角形。笠はゆるやかな曲面と反りのある六花弁形で、中央の頂に六角の蓋を付け、中央の孔に鉄環を付け、蓋にすじを固定して六花弁を鋲止めしている。火袋は六本の鍛造平鉄の柱を立て、格狭間には連子飾りや文様は無い。
扉に7センチ角のひし形の切り抜きがあり、その下に「阿州大田権現燈籠大檀那沙弥義浄源信嗣大願主金剛仏子印海永徳二年壬戍六月廿四日」の銘が線刻されている。受け台は鋲止めし、各辺より2本の火皿受の支柱が出ている。脚は平鉄を猫足状に3本付けてある。笠・火台・火袋・受台・脚は飾りや文様はない。永徳2年は1382年。
金剛杵・都五鈷杵 7個
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町半田(神宮寺)
- 指定日 昭和52年3月1日
金剛杵・都五鈷杵とは、密教で煩悩を粉砕し、菩提心を現す法具で、長さ12.8センチから16.3センチ。
金銅製の独鈷杵4個、三鈷杵1個、五鈷杵1個と白銅製の都五個杵が1個あり、何れも鎌倉~室町時代の作品。
鰐口 1口
- 指定 つるぎ町
- 分類 有形文化財
- 種別 工芸品
- 所在地 つるぎ町半田(奈良堂)
- 指定日 昭和54年5月5日
青銅製の円型、直径二三センチで、応永3年(1396)の作。「奉施入氏部庄志福寺鰐口応永三年卯月八日願主藤原助行敬白」左脇に「岩屋大工助国」のタガネ彫りの刻字がある。(助国は淡路の金工)
この鰐口は、坂出市に現存する志福寺から、奈良堂へなんらかの巡り合わせにより奉納されたものと言われている。