活動報告/巨樹王国

活動報告 REPORT

設立総会 平成23年6月1日

会議の様子

  1. 日時 平成23年6月1日午後1時00分から午後3時00分
  2. 場所 一宇公民館3階大会議室つるぎ町一宇字赤松
  3. 出席者 ひまをもてあます会、一宇赤松加工組合、一宇柿生産組、つるぎの達人、(株)ラ・フォーレつるぎ山、美馬市観光有限会社、つるぎ町役場地域創造課参加者合計29名
  4. 議事顛末
    つるぎ町役場地域創造課長古林敏美が開会を宣言し次の案件について協議しました。
    • 組織の名称及び規約の承認について
      地域創造課長から規約と組織の名称について説明しました。全員一致でこれを承認しました。
    • 議事録署名者の選任について
      地域創造課長は、巨樹王国規約第19条により総会の議事録署名者の事務局案を出席者に諮ったところ、一同これに賛成しました。議事録署名者西谷盛、下家重夫
    • 役員の選出について
      地域創造課長は、5月27日開催の幹事会において役員人事案があることを報告し、出席者に承認を求めたところ満場一致をもってこれを承認しました。
      会長 葛籠弘一(ひまをもてます会)
      副会 長西谷盛(一宇柿生産組合、(株)ラ・フォーレつるぎ山代表)
      監事 上家洋子(一宇加工組合)、下家重夫(つるぎの達人)
    • 事業計画及び予算案について
      地域創造課長は、事業計画と予算案を詳細に説明し、議長が承認を求めたところ全員をもってこれを承認しました。
    • その他
      久藪地区田野氏から巨樹で有名になってきている。特に津志嶽のシャクナゲは、価値があると説明がありました。
      柿生産組合西谷氏から将来に向けての事業であるので、若い人には特にがんばって欲しいとの意見がありました。
      久藪地区東城氏から、東日本大震災から日本人の価値観が変わり始めている。本当に豊かな生活とは、を見つめ直すには良い事業です。高齢化により地域の伝承や文化が消えつつある、最後のチャンスかもしれないとの意見がありましら。久藪には、狐が四国から追い出された伝説が残っているとの話もありました。

山ん中体験モニターツアー 平成23年8月9日~11日

8月9日から11日までの2泊3日、関西の若者を集めて農山村の体験モニターツアーを開催しました。
参加者は、大阪成蹊大学の岩野先生の協力により20~30才までの若者20名を集めることができました。

  1. 若者は、一宇で何を感じるか?
  2. 受け入れ側は、何を感じ次の展開が可能か?

結果は、上々でした。参加者も、受け入れ側も大満足。
一宇の農山村資源が、使えると確信したモニターツアーでした。

8月9日のスケジュール8月9日の写真8月10日のスケジュール8月10日の写真8月11日のスケジュール8月11日の写真

「ど山ん中体験モニターツアー」についての考察

  1. 参加者の状況
    参加者は、19歳から30歳までの関西の若者と、40歳の男性2名の随行者による構成となった。うち女性の参加は、6名であった。
    出身は、都市部が13名、平野部の多い農村部が2名と83%の者は、山間地である一宇地区での生活経験がない。
    参加者の中には、京都の山間部や祖父母の実家が北海道であるという者もいたが、一宇の過酷な環境に驚いていた。
    参加者は、大阪形成大学の学生や京都教育大学、または芸術系に関係する者が多く、景観等にどのような反応をするか楽しみであった。
  2. 参加の理由
    大学をかいして参加者を募集した経緯もあり、先生からの勧めで参加した者が66%をしめる。その結果、"いい人"な若者が集まった。
    農山村に興味のある若者もおり、熱心に過疎対策について語る学生もいた。
  3. 体験内容について
    山村風景と住民とのふれいあいを印象深いと感じる参加者が83%いた。風景については、貞光川の水の美しさに驚いていた。虫よけスプレーや蚊取り線香も用意したが蜂や蚊に刺された人もいた。特に不満を感じていないようだが虫が苦手な人も多いので、今後は注意が必要だ。
    じいちゃんとばあちゃんが元気なことにも驚いていた。世代間のギャップは、特に感じていないようだ。成年者がだったので、飲酒も良い結果につながったようだ。
    ツアー中、晴天が続いたため熱中症ぎみになる参加者がいて、水分補給に注意が必要だった。山水を用意していたが、飲用に抵抗のある者、気づかない者も多くいた。
    体験期間は、短いという者が多かった。田舎なのでフリーな時間を多く欲しいという意見も多かった。
    久藪地区で宿泊したいという意見も多く、地元の合意が得られれば次回は宿泊を体験メニューに加えたい。
  4. 体験料金について
    高いが50%だが、学生が多かったので、半日2,500円は高いと感じるようだ。
    作業で、ペイできないかとの意見もあり検討する。
  5. リピートについて
    88%の参加者がもう一度来たいと答えている。友達5人から6人程度で来たいという意見が多かった。
  6. その他
    "村人になろう"という募集もあり。
    作業人員が余っていたので、手持ちぶさたになる者もいた。

-今後に向けての考察-

今回参加した若者の意見が一般的な意見とは考えにくい。しかし、農山村の交流が"農山村の文化に共感する"という視点からみると、我々が受け入れたいターゲットであると考える事もできる。つまり、我々の要求又は条件をクリアできない方は受け入れないという募集方法も"有り"であると考えられる。
飲酒については、成年以外では無理なことなので、参加者と住民が打ち解けられる方策が必要だ。
期間については、やや物足りなさを感じたようだったが、"もう一度来たい"という導入にはちょうど良いと思われる。
また、体験メニューは、フリーにして欲しいという意見もあったが、ある程度はこちらで固めていないと逆に参加者が戸惑う可能性がある。
体験先での宿泊は、交流を深める意味でも必要であると感じた。
体験料金2,500円は、要検討。にし阿波観光圏での体験料は、2,500円/半日であるが・・・。
農山村体験なので時間に対して、あえてルーズさを造ったつもりである。参加者は、ルーズが良いという意見がおおかたであった。スタッフとしては、精神衛生上よろしくない。
小中学生を受け入れた場合は、また違った結果が予想されるので受け入れてみたい。

秋の農山村体験モニター・ツアー実施 平成23年10月13日~11月24日まで

山の写真

一宇地区のもつ農山村文化は、都市部から来る人、それを受ける人がお互いに気持ち良くなる関係を築けるのか?
次の3点について、調査をするためモニター・ツアーを開催しました。

  • 1点目:一宇地区の観光資源として利用できるのは、どれだ!
  • 2点目:継続性が構築できるか!
  • 3点目:参加者みんなが、気持ち良くなれるか(笑顔)!

調査のため、次のモニター・ツアーを大阪市梅田発で実施しました。

(1)巨樹めぐりと巨樹っ子づくり体験 10月13日実施

体験の様子

一宇の代表的景観である巨樹をめぐるツアーに、巨樹っ子(コケ玉)づくりを体験するものです。
結果:募集期間が短かったため、参加者が少なくなりました。しかし、参加者の反応は良く、受け入れをした一宇商工会の女性部のみなさんも「都会の人と交流ができて良かった。」と喜んでいました。
回答一覧

【巨樹めぐりと巨樹っ子づくり体験】自由回答

  • 貞光川の青さ美しさ、コケ玉を作った時のあたたかい雰囲気、巨樹の子供をそだててコケにてみんなに持ち帰ってもらうという発想、ものすごい山道。(20代女性、大阪府)
  • 貞光川の独特な青色はとても美しかったです。巨樹を見にいくまでの急な細い坂道、川に沿って立っている家々。こけ玉を教えてくださった婦人部のみなさま。(20代女性、兵庫県)
  • 案内スピーチの時「大阪(京都)にはかなわないけれど・・・」という必要はないと思った。運転手さんも古林さんも1、2回おっしゃっていた。(30代女性、大阪府)
  • 自然的(60代男性、大阪府)
  • 岩と水のコントラスト滝の美しさ(70代以上女性、大阪府)
  • 水がきれい、都会から来るとすべて美しい。奇岩と水、もう少し車を止めて欲しい。(70代以上男性、大阪府)

(2)秋の山村と田舎こんにゃくづくり体験 10月28日実施

体験の写真

一宇地区に古くから伝わるコンニャクづくりを体験してもらうツアーを企画しました。ふれあいの時間を長く取ると、どうなるのか?という調査をしたかったので、体験メニューだけとしました。
結果:料理教室ではないのでコンニャクづくりは、経験による分量・加減となりました。段取りは決して良くないですが、逆に田舎らしくて暖かい雰囲気がありました。
回答一覧

【秋の山村と田舎こんにゃくづくり体験】感想

  • せっかくのツアーなのに、こんにゃく芋の皮をむくところから始めたい。1泊2日にならざるを得ないと思うが、その時は12,000~15,000円程度の価格で、もう少し観光を入れてもいいのではないか・・・。(50代男性、大阪府)
  • 往復7、8時間もかかるのなら、1泊2日ほどあればよい。地元の方がとても良い方たちなので、もっと来てみたい。そしていろいろ農村のツアーリズムをやってほしい。(60代女性、大阪府)
  • 景色と水と空気が印象に残った。(70代女性、大阪府)
  • 山村の雰囲気が印象に残った。(60代男性、大阪府)
  • 出来たてのこんにゃくの刺身の味が印象に残った。(60代男性、大阪府)
  • 大阪生まれ大阪育ちのため、すべての風景、場面に感動しました。(70代女性、大阪府)
  • 地元の方々との交流がとても楽しくおもしろかったです。天気も良く、気持ち良く過ごせました。自然に触れる時間がもう少しあれば、より楽しく交流できると思います。(40代女性、大阪府)
  • 珍しいご馳走をいただき、人のぬくもりがしっかり感じられて、とても楽しい1日でした。(70代女性、大阪府)
  • 田舎の生活を知ってほっとする。空気の良さを知った。(70代女性、大阪府)
  • 風景や人が印象に残った。(70代女性、大阪府) 

(3)巨樹めぐりと秋の味覚 11月4日実施

ツアーの写真

パワースポットである巨樹を巡るツアーと地元の食材を使った「ふるさと料理バイキングを実施しました。
結果:地産地消を目的とした「ふるさと料理バイキング」は、松茸料理を提供したので参加者には好評でした。松茸は、方策であったことから料理に加えましたが、普段は高額で使えない食材です。松茸だけが印象に残るかと思っていましたが、“野菜にくせがない””野菜がおいしい“という感想が多くうれしい反応でした。

アンケート結果

(4)巨樹めぐりと干し柿づくり体験 11月18日実施

体験の写真

巨樹・巨木をめぐるツアーと一宇大和柿の干し柿づくり体験のツアーを開催しました。収穫から柿を加工して干すまでを体験していただきます。干し柿に加工されたモノは、後日送付することとしました。
結果:募集開始から、すぐに定員いっぱいとなりました。体験会場を過酷な場所としたため、柿を収穫する畑には、這うように登る参加者が大方でしたが過酷さを楽しんでいるようでした。収穫の体験は正解でした。山村農業の過酷さを肌で感じていただくことができました。

回答一覧

(5)いにしえの山村風景と歴史ロマンの旅 11月24日実施

ツアーの写真

平家落人伝説や忌部族の伝承、剣山に眠るソロモンの秘宝伝説などを利用して一宇地区の農産品に付加価値が付かないかと検討したツアーです。
結果:古代ロマンに興味のある方が非常に多いということが分かりました。あくまでもロマンとして活用の方法を探りたいと考えています。

回答一覧

総括:参加者のツアー評価は、おおむね満足度が高く良い結果でした。これは、チラシにあえて過酷であることを表示していた事による「客の絞り込み」が行われた結果と考えられます。
田舎独特ののんびりしたざっくり感は、助け合いながら体験するという参加者同士のコミュニケーションが濃密になり満足度が上がることが分かりました。狙っていたことではありませんが、大事にしたいポイントです。貞光川の評価が高く、どのように利用するか?検討が必要です。

次に向けての課題:

  1. 作業の受け入れ準備のルーティン化が必要-もっと受け入れ準備の簡素化が必要。
  2. トイレが必要-水回りは都市部並みにする必要がある。
  3. ビジネスモデルの確立-収益を出すために詳細な原価計算が必要。
  4. リスクマネジメント-あらかじめ予想される潜在的なリスクを顕在化して防ぐ方法の検討。

巨樹王国総会 平成24年6月1日

会議の写真

  1. 日時 平成24年6月1日午後1時00分から午後3時00分
  2. 場所 一宇公民館3階大会議室つるぎ町一宇字赤松
  3. 出席者 ひまをもてあます会、一宇赤松加工組合、一宇柿生産組、つるぎの達人、(株)ラ・フォーレつるぎ山、美馬市観光有限会社、つるぎ町役場参加者合計15名
  4. 議事顛末
    巨樹王国事務局古林敏美が開会を宣言した。
  • 議事録署名者の選任について
    まちづくり戦略課長は、巨樹王国規約第19条により総会の議事録署名者の事務局案を出席者に諮ったところ、一同これに賛成した。
    議事録署名者村上英男、篠原尚志
    会長葛籠弘一があいさつの後、巨樹王国第14条により議長を会長葛籠弘一が行い議事を進行した。
  • 平成23年度決算報告及び平成24年度予算案について
    議長は、平成23年度決算報告を事務局に説明を求めた。
    事務局長が決算報告書(PDF 1.65MB)を詳細に説明したのち監事上家洋子が監査報告を行い、議長が承認を求めたところ全員をもってこれを承認した。
    続いて平成24年度事業計画について事務局長が説明を行い議長が承認を求めたところ全員をもってこれを容認した。
詳細内容
事項 内容 金額
(1)地域資源の発掘 商品化に向けて専門家を招聘し、利用可能な地域資源を探った 444,440
(2)ワークショップと現地調査 専門家と一緒に地域にある資源を調査した。 1,500
(3)市場調査 都市部のイベントに参加し、体験ツアーと東北の観光PRを実施した。 84,904
(4)モニターツアーの実施 発掘した地域資源を利用したモニターツアーを実施し、商品化に向けた市場の反応をみた。 2,030,674
(5)人材育成 先進地等の視察研修を行った。 12,300
合計 2,573,818


以上をもって、総会が終了したので、議長は閉会を宣言した。

平成23年度農山村体験ツアーの反省と次への展開について

ツアーの写真

モニターツアーを終えての総括

今回のモニクーツアーを終えて、意見交換を行い、以下の分析と課題を抽出した。

  • とき:平成24年5月14日~6月5日(6回開催)
  • ところ:つるぎ町役場分館

1.申込状況等

広報は大阪エリアの公民館等にチラシを郵送した。当初は都市部の公民館等の役割が地方と違うのではないかと思われ、公民館ルートでの集客が危惧されたが、チラシを自主的に配布していただいた公民館等もあって順調に申込が集まった。
また、アンケートには反映されていないが、FACEBOOKで情報が拡散したが、その時点ではすでに予約がいっぱいで参加できなかった。
→行政の情報発信による信頼感があった。また、FacebookやTwitterも情報発信源になり得る。

2.個別のツアーで満足度が高かった原因

総括の写真

(1)干し柿づくりで満足度が高かった

作業を通じて参加者同士の連帯感が芽生えた。状況は、軒先を乾燥室にしている場所で半透明の屋根があって明るい雰囲気。ただし肩がふれあうぐらい狭く雑然とした場所であったが、参加者は気にしていないようだった。
また、柿を取る場所が傾斜地でたどりつくまでが距離があった。しかし途中の風景は楽しめた。ハサミが少ないので3人1組としたところ、柿を取る際にうまく取れなかったときに助け合ったりした。
→参加者が助け合うなど参加者同士のコミュニケーションが濃密であると満足度は高<なる。

(2)土釜・鴫滝の評価が高かった

期待していた以上の風景であったことが考えられる。大阪では求めても得られない景観であり、事前に写真等で打ち出していないことが良い意味で期待を裏切ったと考えられる。
→「まさか、こんな場所だったとは…」との感動につながった。良い意味で期待を裏切るために、事前の種あかしは控える。さりげなさとの落差が効果的。
→剣山が一番の観光資源だが、帰りに立ち寄れる場所として土釜を設定したい。休憩できることなど。
ただしハード整備は難しい。駐車場がないのは弱点だが、分岐した路上に駐車は可能(つるぎ町)。

(3)「歴史・ロマン」の満足度が商いのは、説明者(一宇の地蔵寺菜飯原住職)の力量

剣山には「ソロモンの秘宝」「邪馬台国」などの話題かおるが、一部の研究者にありがちな主観観を押しつけることかく、巧みな話法とともにものの柔軟な見方を問いかけて気付きを与えた。
→ガイドが「説明しすぎない」「主観を押しつけない」(一部に不快に思う人が出現する可能性かある)

3.不満要因にはならなかったこと

(1)参加者は田舎に完璧を求めていない

バスのなかで田舎なので段取りが悪い点けご容赦をとの趣旨のアナウンスを主催者が行うと、参加者はそんなことは期待していない(気にしていない)とのコメントがあった。添乗員の話術で雰囲気を乗せたこともあったが、最大の要因は客層が良かったこと。
→美馬観光で受付したが、典型的な「大阪のおばちゃん」のような問い合わせはな<、参加者層は上品な雰囲気だったとのこと。
→「何にもない田舎だから」「都会には勝てない」などの田舎を卑下するコメントは不要。

4.課題

(1)作業の受け容れの準備が必要

今回が初回ということもあって各ツアーの受入側の下準備はかなりかかったと想定される。
→ある程度、ルーティン化(プログラム化)できれば解決は可能と判断される。

(2)参加者への気配り(地元で困難な配慮もある)

  • 遠慮がちな人がいる。その人に配慮することが必要。
  • 足の悪い人のために机と椅子を用意する。
  • 清潔感は都市レベルの品質が必要。特に食品製造体験では田舎の感覚より気を配った清潔感を重視する。

(3)道中でトイレが少ない

今回の参加者で下痢をした参加者があり、トイレが待てなかった。道中にトイレ整備の必要性を感じるが、設置と維持管理の経費の問題がある。
ツアーでは、下痢対策として正露丸を常備するのも一案。

(4)継続性のためのビジネスモデルの確立

民間主体で実施するには収益を出すことが必要。価格設定は当初の想定より高く設定できる可能性がある。

  • 民間事業者(庚馬市観光等)にとってのメリットを明確に打ち出すことが必要。現時点で地元観光業者は特に有力な収益源とは者えていない節がある。しかし地域資源を活かし活性化に結びつけるには体験型の手法が不可欠であることも今回のモニターツアーからうかがえる。

(5)リスクマネジメント

以下の項目で民間の関与が困難であると考えられる。

  • リスク管理(イベント保険加入のみならず、予め想定される潜在的なリスクを顕在化して訪ぐ視点)
  • 広報(行政発信による信頼感が今回の公民館ルートで効果を発揮したと考えられる)

5.成果の指標として

  • 参加者の満足度(次回参加意欲も含むアンケート等の定性評価)
  • 受入の満足度(次回参加意欲も含むヒアリング等の定性評価)
  • 経済効果として、地元民間旅行業者の自立ツアー化こ体験民宿の創業件数など
中小企業診断士平井吉信氏の総括
感動 予想もしなかったことが実現「まさかこんなことまで・・・」「うれしい!」
→心の琴線に触れる、心がつながる体験を提供
満足 期待以上「思った以上にいい」「来て良かった」「住んでよかった」
→求められる機能を実現
不満でない 期待どおり「思ったとおり」「不満を感じないけど・・・」
→当然なことを実現
不満である 不満である「こんなことができていないなんて」
→基本レベルを実現して不満要素をなくす

平成23年度の5つのモニターツアーからは、特定のライフスタイルの人が集まった感がある。少なくとも、生活に追われている感のある人はいないと考えられる。
「知識教養の向上」「家族の幸せ」「マイペース」などの割合が高かったことから、体験による学び、地元の人や参加者同士の交流、必要以上に干渉したりお仕着せにならないツアーが受け容れられる可能性があることがうかがえる。次いで「現実を忘れて夢中になる」「環境に配慮」のキーワードが多かったが、この2つの参加者層は別物と考えられる。つまり、非日常を満喫することを楽しみに来る人もいれば、社会のルールを守ることを重視する人もいる。これらは味付けとして取り入れたい。
ツアーで参加者が絞りこまれた理由は、事前の情報発信(チラシ)にあったのではないかと推察する。チラシが語るイメージが不便であること、通常のツアーとは異なることがそれ、となく伝わったからではないか。
次年度のモニターツアーでは、チラシの打ち出しを3パターンぐらいに変えて実施し、どのチラシを見て訪問したかを訪ねだり、価格設定の実験などで参加者の価格と参加意欲の関係を検証することが必要と考えられる。
すなわち、チラシ(情報発信)と価格設定で客を選び(想定されているターゲットをつくりだす)、その参加者が求めるコンテンツを提供すれば満足度は高まると考える。
また、事業の継続性のためにビジネスモデルを確立する必要があり、その意味も込めてツアーの組み立てとその検証法をなるべく早い時期から組み立てて企画を構築することが望ましい。

夏の農山村体験ツアー開催!

ツアーの写真

1.夏の体験ツアーでやりたいこと!

昨年実施した体験ツアーを基本として、次の点に配慮しながらツアーを実施しました。
(1)ある程度の料金を徴収して募集した場合の反応を見る。
大阪までバスを用意してツアーをくみ上げると、一人当たり25,000円程度の料金となります。総会でも意見があったが「高いのではないか」という意見も取り入れ、実費に近い料金設定で参加者の反応を見ます。
(2)大阪梅田発とする。
神戸発も検討したが、集合場所とバスへの昇降場所の問題があるため、昨年と同じ場所で集合・出発とします。
(3)チラシ・ポスターの配布は昨年と同様とする。
昨年送付した反応は良く、すぐに定員いっぱいになった。本年度も踏襲します。
(4)民間の体験ツアーと差別化をする。
大型バスを乗り入れることができません。景色ではなく人とのふれあいを商品とします。参加者と受入者が共感し、お互いに感動することが大切!です。

2.体験ツアーの内容と結果

(1)剣山アーク伝説を辿る7/4~7/5参加費2万円

  • 募集文句
    剣山に連なる山々は、閉経の落人伝説や大和朝廷の祭祀に深く関わったとされる忌部氏の根拠地
    古事記や日本書紀に描かれた「天の岩戸」
    映画「インディジョーンズ」で知られるアークが埋められている伝説
    古代の剣山で何が起こったのか
  • 目的
    昨年人気ナンバー1のツアーを実施します。剣山や一宇地区にまつわる数々の伝説をつなぎ合わせて新しい観光資源とします。
  • 結果
    参加者が集まらず中止となりました。
    原因として、次の点が考えられます。
    1. 募集期間が短かった。
    2. マニア系のツアーなので、ターゲットまでチラシが届かなかった。
    3. 参加者には、料金が高いと感じた。

ツアーの写真

(2)巨樹めぐりと元気食材満喫7/28参加費1万円

  • 募集文句
    「エノキ、トチノキ、アカマツ・・・巨樹へ近づく」
    剣山のふもとには、平地から北海道のような気候が存在する
    そのため、常緑樹から針葉樹までの様々な巨樹・巨木が息づいている。
    山懐に抱かれ霧にたたずむ巨樹が突然視界に現れると、声を失ってしまう
    そのとき巨樹が元気をくれる
  • 目的
    定番となっている巨樹めぐりと地元食材を使った田舎料理が料金を徴収しても開催可能かどうかを探ります。
  • 結果
    7名の参加がありました。独自性や食事については、ほぼ満足されたようです。印象に残ったことは、やはり巨樹のようです。アカマツへの登山道でマムシに遭遇するというトラブルもありましたが、良い印象になってました。参加者は旅や植物観察が趣味でアウトドア嗜好が強く、向学心があるように思われます。

(3)天空の集落で遊ぶ二日間8/8~8/9参加費2万円

  • 募集文句
    剣山に向かう途中で急な山道を
    まるで天上に連れ去られるように駆け上がると
    とある集落にでる
    わずかばかりの広場にはお堂があって人が集まる
    野菜を探して食卓に並べ、薪を割って風呂をわかす
    山の暮らしをみんなでつくってみる
  • 目的
    夏のツアーの目玉!過酷ともいえる一宇集落での体験ツアーが都市部の人たちに理解できるか?料金を払うだけの価値を感じてもらえるか?を調べます。
  • 結果
    5名の参加がありました。
    チラシを都市部の公民館や公共施設、道の駅など100カ所にチラシを送ったが反応がありませんでした。夏のツアーの目玉であったので、新聞広告をうち広く募集をしてみることとしたところ、5名の希望者がありました。広告は、産経新聞で大阪24万部、京都14万部に掲載。参加料金を2万円から1万円に減額しました。減額しても来て欲しかった理由は、お金を出す価値があるかどうかの意見を聞きたかったからです。
  • 1日目は、一宇名物の赤いもを収穫する体験を行い、収穫したジャガイモを味噌田楽にして夕食の総菜としました。
  • 2日目は、トマトやナスの収穫を行い、昼食は野菜サラダと焼きなす、流し素麺をしました。

標高700mの集落は、都会の蒸し暑さから解放され参加者は大喜びです。集落の方に来年の夏の予約をしていました。来てもらった人は、みんな喜んでいるので、いかに来てもらうかが課題です。

3.夏のツアー総括

(1)参加者の意見

参加者の意見を取りまとめると次のとおりでした。

  • 「剣山アーク伝説」は告知期間が短かったせいかできなかった。
  • 「巨樹をめぐって元気食材」は4人が参加。花や野草に詳しく、花のツアーを開いてみては?などの示唆があった。
  • 巨樹をめぐるツアーはほかにない、珍しい。
  • 花を説明して欲しい。→高山植物や山野草が好きな人は少なくないため、固定客は期待できる。ただし、マニア層は地元で対応できない可能性がある。
  • まむしに遭遇しても嫌がられなかった。
  • 2万円という価格設定が高かった。内容がわかりにくい。
  • おばさんはチラシを見ないとの意見(情報過多の大阪地区での現象か。ただし言葉を鵜呑みにはできないと考える)。
  • 盆に移動することが多く、盆のあとはラフォーレ剣山の宿泊もほとんどない。盆前ならだいじょうぶと思ったが、盆の移動と時期が近いことが参加者が少なかった原因か。
  • 総じて、参加者の企画に対する評価、満足度は高い。

【課題】

  • ターゲットに情報が届いていない(ただし来た人の満足度は高い)。
  • 地元が楽しめること。外の視点に触発されてマインドが活性化すること。
  • 誰かに会いに来る、という状況には農家民宿が不可欠。

秋の農山村体験ツアー開催!

秋の農山村体験ツアーについて
夏の農山村体験ツアーの反省をもとに、秋のツアーを実施しました。

1.秋の農山村体験ツアーでやりたいこと!

(1)つるぎ町発の体験ツアーとする。

大阪梅田発の体験ツアーのアンケートからは、チラシを見たとき料金が高く感じるとのことでした。ならば、つるぎ町までは自分で来ていただいて、そこからのツアー料金をいただくことに変更しました。

(2)脱レール型観光

地区の特性からマスツーリズムは困難です。巨樹や山村集落といった地域の個性を前面に出し、地元風土を体感しつつ地元の人たちと”濃密な意思疎通”を行うことが満足度を上げリピートにつながると考えました。

(3)あえて景観を見せない

秋と言えば「紅葉」ですが、あえて見せません。観ることよりも体験することに重点を置いて、客層を絞り込みます。

2.体験ツアーの内容と結果

秋の体験ツアーは「天然素材の旅」と銘打ちました。商品化されていない素のままの一宇を体験していただきたいからです。

(1)山のコンニャクづくり体験と巨樹めぐり10/30~31参加費10,500円

  • 募集文句
    知ってます?
    山のコンニャクは、市販のこんにゃくとは味も食感も別物です
    市販のものは、薬品を使って固めますが
    山のコンニャクは、草木を焼いた”自然の灰”を使います
    石灰岩の多い剣山系からわき出す
    おいしい水と自然の灰でこさえたコンニャクは、食べて健康、つくって楽しいこと間違いなしです。
    ここは、剣山のふもと!山の神が統べる土地
    そして巨樹をめぐって、時の巨人からちからをもらいます。
  • 目的
    薬品を使う一般のコンニャクに比べ、昔ながらのコンニャクづくりは結構手間がかかります。山の人と都会の人が手間のかかる作業を一緒にすることにより、共感し互いが「もう一度この人に会いたい」と思える状況が生まれることを期待します。
  • 結果
    参加者が集まらず中止となりました。

ツアーの写真ツアーの写真

(2)巨樹めぐりと元気食材満喫11/4参加費6,000円

  • 募集文句
    今度はどこへ行こうか-
    あるご夫婦が語らいます
    妻「四国の剣山には巨樹がたくさんあるみたい」
    夫「地元の人(つるぎの達人)の案内で訪ねてみる?」
    一緒に「いいね(*^_^*)」
    あなたとわたしの秋の一日
    野菜たっぷりの田舎料理が元気をくれる
    剣山のふもとで食べ歩き
    巨樹を見て、夫婦円満だね!
  • 目的
    夏にも実施た巨樹めぐりと地元の野菜を使った田舎料理を食べるツアーです。かなり評判は良いので、さらに商品化として煮詰めるために実施します。
  • 結果
    定員いっぱいとなりました。参加者の評判も良く、更に周知する方法を検討します。
    また、地元の食材と郷土料理をブラッシュアップしていかなければなりません。

干し柿の写真干し柿を作っている写真

(3)手作り干し柿体験と巨樹めぐり11/17~18参加費10,500円

  • 募集文句
    熟した柿ってあまいんです!
    高い枝で真っ赤に熟した柿があるとします(太陽と過酷な風土が生んだ一宇大和柿です)
    それを道具を使って採り、干し柿として仕込む
    こんな簡単な作業がなかなかできないのはなぜ?
    それは・・・おもしろいから
    もし、あなたが、干し柿が好きで、巨樹にあこがれる人なら
    この体験は世界であなただけの時間です
    できあがった干し柿は焼く半月後に自宅までお届けするというおまけ付き!
  • 目的
    秋の体験ツアーの目玉です。昨年は募集して直ぐに定員いっぱいになりました。昨年は、日帰りでしたが、今年は1泊2日で参加者が地元とふれあえる時間を多く取りました。
  • 結果
    温暖化の影響か、柿の例年よりも早く熟し始めました。17日から18日の予定でしたが、1週間前倒しして実施することとしました。作業により連帯感を深め、翌日の巨樹めぐりがより楽しめるよう企画しいましたが、巨樹めぐりの日程調整ができず、昨年同様に日帰り体験ツアーとなってしまいました。
    参加者は、3名。申込は4名でしたが当日にキャンセルがありました。
    料金は、日帰り体験ツアーとなりましたので、体験代金2,500円/人としました。
    今年は柿の収穫から干し作業まで、普通の作業を体験してもらいましたので、キツイという意見があるかと思っていましたが、参加者は概ね満足。
    ヤマガラという野鳥が手にとまり餌をほおばるハプニングもあり、一宇の自然環境に感動と喜びを感じていました。

3.秋の体験ツアー総括

  • 巨樹めぐりは評判が良いです。巨樹めぐりをからめた体験ツアーは必要です。
  • 体験してもらうと料金には満足してもらえます。チラシだけでは、詳細が伝わらないのがもどかしい。
  • 近畿は徳島と結びつきが強く近いというイメージがあります。近いだけに旅行という感覚が芽生えないのではないかとの意見がありました。
    ターゲットは遠距離の関東ではないか? 

一応、事業の終了!

平成23年度~24年度と2年間実施したこの事業も終了します。農山村の体験メニューを商品化し農業振興に繋げることの難しさを実感することとなりましたが、地元の資源が商品として通用することが確信できた事業でもありました。
体験ツアーに参加された方は、みなさん満足され料金にも納得されていましたが、チラシによる募集は一般の旅行との差別化が伝わりにくいことから参加することに躊躇されるようです。
補助事業は終了しますが、つるぎ町と協働して次の計画を進めたいと思います。

  1. 毎月第一日曜日は巨樹めぐり(3月~11月)とする。受付は美馬市観光なので地元の事務負担は生じません。
    5人程度であれば、ガイド役の一人が7人乗りミニバンを運転する(運転席には運転手とガイドの2名体制)ことも可能です。
  2. 体験者は「チラシだけだと内容が分からないので料金を高いと感じる。」「実際に体験すると金額以上の感動がある。」「周知不足。」との意見をふまえ、マスコミを対象としたツアーを実施します。
  3. 農山村体験を受け入れる際に必要なこととして、”仲良しグループ”の発掘が重要であることが分かりました。久藪の農山村体験や錦谷のコンニャク作り体験は、地域の仲良しグループが受入てくれるのでうまくいっています。仲良しグループの発掘をさらに進めます。
    干し柿づくり体験を定番化するためには受け入れとなる地元の有志(仲良しグループ)の確保が不可欠です。個人単独で受けてもらっても集落への波及効果(マインド面も含めて)が派生しにくいと思われます。
  4. 区域外ではあるが、半田そうめんをうだつの町並みの空き家を活用して週末に提供できないかという案も検討します。
  5. モノレールしか交通手段がない。集落まで歩くと1時間かかるとテレビで取り上げられる「十家」地区をプログラムにできないか?ということも検討します。

1月23日会長に最終報告を提出しました。

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